リウマチ患者のための
住環境整備ハンドブック

住環境整備

玄関、寝室、トイレ、浴室など、場所ごとの工夫を紹介します。
関節への負担を減らし、安全に暮らすためのヒントをご覧ください。

玄関

玄関

寝室・居室

寝室・居室

トイレ

トイレ

浴室

浴室

台所

台所

洗面所

洗面所

玄関を使いやすくする工夫

玄関の工夫1

玄関は外出のスタート地点ですが、靴の脱ぎ履きや段差の昇降など、手足に負担がかかり、また、バランスを崩しやすい動作が集中します。

バリアフリー = スロープと思われがちですが、一般的なスロープの角度でもリウマチの方には足首への負担が大きく、かえって歩きにくい場合があります。

むしろ、しっかりとした手すりを併設した、緩やかな階段の方が安定して移動できることも少なくありません。

無理に立ったまま動作をせず、椅子や手すりといった「道具」を配置して、関節を守りながら安全に外出できる環境を整えましょう。

靴の脱ぎ履き

靴の脱ぎ履きの工夫

靴の脱ぎ履きは、玄関の土間に椅子やベンチを置いて、座って行いましょう。

立ち上がりを助ける手すりや、移動をささせる手すり等を組み合わせると安心です。

大きな段差がある場合は、スロープだけでなく緩やかな階段や、踏み台の設置も検討しましょう。

杖や車椅子を使う場合

杖や車椅子を使う場合の工夫

杖や車椅子を使う場合は、開戸よりも引き戸の方が使いやすくなります。

特にイラストのような三枚引き戸は段差もなく開口幅が広いタイプを選ぶと、車椅子でも安全に負担なく利用することができます。

介助者が付き添う場合でも、余裕をもって通行できます。

寝室や居室を使いやすくする工夫

寝室・居室の工夫1

寝室や居室は、一日の大半を過ごす場所であるため、休息や移動の動作をいかに安全に行うかが重要です。

生活が1階で完結できるよう、洗面やトイレと隣接した寝室配置を検討した事例もあります。

室内での移動をスムーズにするために、椅子はキャスター椅子に変更するといった工夫が有効です。

関節への負担を減らし、将来的な身体機能の変化や回復にも対応できるよう、段差の解消や福祉用具の活用を柔軟に組み合わせましょう。

ソファ

ソファの工夫

ソファなど低い位置から立ち上がる時は、体に負担がかかりやすいものです。

床置きの手すりは、工事が要らず手軽に使えます。

介護保険でレンタルできるものも多いので、試したい場合は一度ケアマネジャーさんに相談してみてください。

トイレ用や屋外用などもあります。

棚の工夫

棚の引き出しの取っ手を、縦向きに付け替えています。

横向きの取っ手だと手首をひねる動きが必要になり、負担を感じやすくなります。

縦型の取っ手は、無理なく自然に握ることができるのが特徴です。

毎日何度も使う場所だからこそ、こうした配慮が大切になります。

トイレを使いやすくする工夫

トイレの工夫1

トイレでの立ち座りにおける関節への負担を軽減するには、多角的な環境整備が不可欠です。

握りやすい「手すり」の選定に加え、腰の浮かせやすさを助ける「補高便座」 、そして清拭動作を補助する「温水洗浄便座」の三点を使用することが効果的です。

手すりだけに頼らず、これらの用具を併用することで身体機能が補われ、多くの患者さんが自身の力で安全に動作を完結できるようになります。

手すり

手すりの工夫

トイレの手すりは、壁にL型手すりを取り付ける整備が一般的ですが、手すりを握ることが難しい場合には、腕全体で力を加えられる肘掛け式の手すりを検討すると良いでしょう。

立ち座りが安定し、関節への負担も軽減されます。

転倒予防にもつながります。

便器

便器の工夫

便器の高さを高くする方法としては、既存の便座の上にクッション性のある補高便座を乗せる方法が一般的です。

便器と便座の間に補高用の部品を入れる方法などもあります。

電動で座面が昇降するタイプもあるため、実際に体験してから導入を検討しましょう。

浴室を使いやすくする工夫

浴室の工夫1

浴室は石鹸や水で滑りやすく、転倒には特に気を付けたい場所です。

また、2ハンドル式の蛇口など、石鹸がついた手で回す動作は指先の関節に大きな負担をかけます。

浴槽の出入りが困難になった場合は、無理をせず、座ってシャワーを利用できる福祉用具を導入し、シャワー浴へと切り替えることも有効な手段です。

自助具を活用して、関節に負担をかけず、安全を確保しながら清潔を保つ工夫が必要です。

浴槽への出入り

浴槽への出入りの工夫

浴槽に入るときは、立ったまま入るよりも座って入る方が安全です。

浴槽の縁の高さに合った椅子やベンチがあると、出入りの動作が楽になります。

浴室には、バスボードや浴槽内台などの福祉用具がたくさんありますので、自宅の浴室で試しながら取り入れていきましょう。

シャワー浴

シャワー浴の工夫

浴槽の出入りが難しい場合、シャワー浴だけで済ませている人は決して少なくありません。

イラストのシャワーは壁に設置したアームからお湯が散水されるため、短時間でも全身がお湯で包まれるようにしっかり温まり、冬場でも身体が冷えにくく安心して利用できます。

台所を使いやすくする工夫

台所の工夫1

台所での調理や片付けは立ち作業が大変であり、関節に負担のかかる動作の連続です。

特に、瓶の蓋や紙パックを開ける、食器の出し入れ、鍋などの重いものを持つ、食材を切るなどの動作は、指先などの小さな関節に強い力を集中させてしまいます。

関節の保護を最優先するために、角度を変えられる包丁や万能ハンドルといった便利な道具・機器(自助具)を積極的に導入しましょう。

これにより、より大きな関節を使い、軽い力で作業を進めることが可能になります。

蛇口

蛇口の工夫

水栓金具(蛇口)はレバー式がおすすめですが、手元操作ができる出っ張りのあるボタンやセンサー操作のタイプも有効です。

いずれも手指の痛みや変形、 握力が弱い場合でも使いやすいよう、軽い力で操作でき、手指等への負担を抑えた形状を選ぶとよいでしょう。

食器棚

食器棚の工夫

食器棚は引き出し式がおすすめです。

フライパンや鍋類は、立てたり、吊ったりして収納する とよいでしょう。

引き出しの取っ手は棒状のハンドルが使いやすいです。

中身が一目で確認でき、出し入れの動作もスムー ズになります。

調理時の負担軽減にもつながります。

洗面所を使いやすくする工夫

洗面所の工夫1

洗面所は、手を洗う、歯磨きをする、洗濯をするなど、頻繁に使用する空間です。

中腰や前傾姿勢での作業は、腰や股関節に負担をかけやすい上、蛇口をひねったり、歯ブラシなど細かなものを持ち上げたりする動作は手指の関節に負担を集中させます。

身体機能の変化に応じ、洗面所を含む生活空間を1階に集約することで日々の動作の負担を軽減できます。

自助具や滑り止めマットなどを活用し、関節に負担をかけず、安全に身だしなみを整えられる環境を目指しましょう。

洗面台

洗面台の工夫

洗面台の蛇口まで手が届かない場合は、水が出る位置を手前にできるグッズがあります。

腕や腰、背中への負担を軽くすることができます。

もともとは子ども向けの製品ですが、大人でも問題なく使えます。

事前に蛇口の形状を確認してから導入すると安心です。

椅子の活用

椅子の活用

関節に痛みなどがあると、歯を磨く、顔を洗う、化粧をするなどの動作に時間がかかりやすくなります。

そのため、椅子に座ったまま使える洗面台を選ぶと安心です。

手元で水栓操作ができるものや、リモコンで水が出せるタイプもあり、無理のない姿勢で身支度ができます。